フラれたはずなのに、なぜか迫ってくる
放課後。


「わっ、結構いるね」


先生から指定された補習をする教室へ行くと、教室の席はほとんどが埋め尽くされていた。


「あそこ空いてっし、行こ」


龍輝が指差した方向は、窓側の前から3・4番目の後ろの席だ。


「うん」


龍輝が3番目、私が4番目の席に座ると、前から補習プリントが大量に渡された。


う…っ、こんなに…!


ただでさえ、古文苦手なのに、こんなにあるんじゃ、終わらないよ…!!


「彩、そんな落ち込むなって。俺すぐ終わるだろーし、手伝うから」


「神…!」


「ったく、お前は虫がいい奴。俺じゃなかったら、しばくぞ」


「あはは…すみません」


「ーーーじゃあ、終わった人から帰宅してね。頑張ってね、みんな」


せ、先生、相変わらず目が笑ってない。


それから地獄の補習はスタートした。


「りゅ、龍輝〜」


「おん?どうした?」


「これどうやって変形?させるの?」


「っぶは、活用表からかよ?」


早速プリントが空白だらけの私を見てケラケラ笑った龍輝。


「あ、笑ったな!?こっちは真剣なのに…!」


それに私はプンプンと怒る。


「悪かったって。えっと、まず活用にはいくつか種類があるんだけどーー…」
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