小動物系男子(女子)と放っておけない男子
変な編入生
 2年生になった、夏。

 何故か今年も任せられる生徒会の「書記」と言う役割。

 この学園は生徒会長が生徒会役員を名指しで決めるため、ほとんど拒否権がないのだ。




「…何見てんの?」


「チッ」




 おまけに不良どもが沢山沸いてやがる。


 それなりに偏差値の高いこの学園では、暴力事件はないと言われているがあくまでもそれは表向き。



 …つか、男子校の時点で安全なんて保証される訳ねーだろ。



 そんなこんな考えていると、呼び出された学園長室に入った。




「……邪魔しまーす」




 あくまでも目上の人間。

 敬語なんて滅多に使わないし、自分よりも弱い人間に使いたくないけど仕方ない。




「こんにちは、蒼柳くん」


「……誰、こいつ」




 まず先に視界に入ったのは、学園長……ともう一人の小柄な奴。


 女みたいな顔立ち、女みたいな髪型、女みたいに小柄。



「えっ、ボクの名前? 聞きたいの? 仕方ないなー、ボクの名前は渡辺(わたなべ)千里(ちさと)! 千里クンって呼んでねぇ」




 ……こいつの存在に触れた事を後悔した。




「……」


「ねぇちょっと! 無視しないでよ、キミから聞いたんでしょ、名前!」


「……学園長、マジでこいつ何」
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