「とりあえず俺に愛されとけば?」




けれど混乱する私なんてお構いなしに、




「なずな、」

「……」

「質問」

「……今度はなんで、しょうか?」




お願いだから、パンク寸前の私にこれ以上刺激のある質問はしないでほしい。

ポンコツな私の頭では処理が追いつかない。




「“なずなの花の、花言葉って知ってる?”」




真っ直ぐにイルミネーションを見つめていた視線が私の手元にある、なずなの花束に向けられた。



“ねぇ、なずなちゃん。なずなの花の、花ことばってしってる?”

“最後にひとつだけ俺から質問してもいいか?なずなの花言葉って知ってる?”


さくらちゃんと、佐倉さんに聞かれたそれだった。


今の私なら、この問いに答えることができる。





「……あなたに私の全てを捧げます」




私が答えれば佐倉さんは嬉しそうに笑った。




「3度目にして初めてもらったな、答え。俺のこと思い出した?って、違うか。……テレビ見た?」




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