「とりあえず俺に愛されとけば?」
「え、」
「え、」
私と同じ反応をしたその人とバッチリ視線が重なった。
まさかこんなところで会うなんて。
「え、なずな昨日の人だよね!なんで、なんで!」と、バシバシ私の肩を叩き続けながら、はしゃぐ香澄はとりあえず無視して。
「びっくりだな、まさかこんなところで会うなんて」
「はい、本当に……」
低い声音が私に向かって柔らかく言葉を紡ぐ。その声と表情でさえ綺麗でなんともずるい。
「このブランド、SAKURA好きなのか?」
「え、はい……」
「そうか」
彼からの突然の質問に事実を答える。するとなんとも嬉しそうに綺麗な笑みを浮かべた。
笑顔の破壊力に負けそうになる。