「とりあえず俺に愛されとけば?」





《ずっとですか、》

《はい、そうなんです。実は小学生のときからずっとなので、もうかれこれ18年くらいずっと片想いです》




ほら、私じゃない。だって私は小学生の時に佐倉さんに出会ってなどいないもの。




《佐倉社長のような素敵な方に思われて、その方はとても羨ましいです》

《いえいえ、実は彼女にはすでに振られておりまして》

《え、そうなんですか?》

《というか、この話長くなりますけど大丈夫ですか?僕としては全国放送で流していただけて嬉しいんですけど》

《ぜひ!佐倉社長の恋のお話はきっと、全国のSAKURAファンの女性が興味津々だと思いますので!でも、ブランド立ち上げのお話、新商品についてのお話もできたらおうかがいしたいのですが、》

《では大丈夫ですね。ブランドの立ち上げも、新商品発売もその女性のためなので》




アナウンサーに向かってにっこりと笑った佐倉さんが、一瞬カメラを見た。まるで佐倉さんと視線が交わったみたいで変な汗が出る。




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