「とりあえず俺に愛されとけば?」
“なずな、俺のこと忘れたの?”
“初恋の相手、間違えるわけないだろ”
“なずなの為に作った商品だ”
“1月17日だろう。だからこの香水の発売日もその日にした”
“なずなの花言葉って知ってる?”
“あなたに私の全てを捧げます”
“昔となにも変わってない。そういうところが昔から好きだったのかもな”
“忘れてしまった、なずなが、悪い”
“なんでもない。もっと早く来なかった、俺が悪いんだ”
佐倉さんに言われた言葉が降ってきて、なにかの合図みたいに私の幼い頃の記憶の扉を開ける。
“おおきくなったら、さくらはなずなちゃんをむかえにくるね!”
さくらちゃんが、佐倉さんだとしたら、私は間違いなく小学1年生のときに佐倉さんに出会っている。