狼少女と、溺愛男子
【01.】狼少女な私
「聖里、帰ろ」
いつも通りの放課後。
たった1人を除いては、
誰も話しかけて来ないんだから。
話しかけないでいてくれたらいいのに.........
そう思っている間にも。
「キャーーっ、佐渡くぅん!」
「そんな、〝狼少女〟なんて、
放っておいて私たちと帰ろうよ!」
「そうだよー!佐渡くん!」
「琉架くんってばぁ!」
「帰ろうよぉー!!」
いつも、友達を作らない、
私、中尾聖里に、
話しかけてきた男の子の周りに群がる女の子たち。
そんな光景を横目に、
ほっといて、教室を出ようとしたとき。
──────グイッ!
と、引っ張られる腕。
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