狼少女と、溺愛男子
その距離の近さに、心臓はドクドク鳴ってて。
「っ、わざと近くしなくていいから、離れて」
そう言って、
力無く琉架くんの胸元を両手で押すと。
「ふっ。かわいーよね、聖里って」
そう言って、
私の髪をそっと少し取って。
──────ちゅっと。
音を立てて、
きっ、キスを落とした琉架くん。
「.........っ、かわいく、ない、もんっ、」
〝そんなこと言わないで〟
って目で琉架くんを見つめれば。
「ほら、また。聖里って怖がりで、強がりで、
それでいて、素直じゃないネコみたいなとこ」
「.........っ、ね、ねこ、」
私が突っ込みどころに対して言葉を発すると。
「だから、
早く俺のこと、好きになって」
そう、切なげに言葉を発して。
私の肩に頭を置いた琉架くんが。
〝肝試し〟をの恐怖を忘れてしまうほど。
──────私の記憶に焼きついた。