寝ても覚めても、離してやんない
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カリカリ。ペンの音が走っている。
わたしは読んでたマンガを閉じて、机に向かう背中に目を向けた。
「暖~、終わった?」
「まだ」
「遅いなあ」
文句をこぼし、うつ伏せになったベッドの上でパタパタと足を動かす。
暖は、幼なじみ。生まれながらのお隣さん。
あと、わたしの召し使い。
「今日ね、告白された」
「……」
「でも暖じゃなかったから断ったよ」
返事は来ない。
けど暖の気持ちなんて手に取るようにわかる。
めちゃめちゃ喜んでるよね。
証拠に、後ろから見ても耳が真っ赤。わかりやすくて安心する。
暖はたぶん、わたしのことが好き。
そんでもって、わたしも暖が大好きだ。
「ね~、早くしてよ」
「……もうちょっと待ってろ」
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