寝ても覚めても、離してやんない
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で、思い付いたことを朝の登校時間に打ち明けた。
「暖と夜一緒に寝ればいいんじゃない?」
名案だね。
「却下」
こんな名案をバッサリ切り捨てられるの、暖しかいないよ。
「なんでよ、お泊まりしようよ」
「永遠にか?」
「実質同棲」
「絶対してやらねー」
あ、暖の頑固発動。
どーせまた、うちの家族に迷惑がかかるからとか思ってるんだろうな。
もうみんな、わたし達が相思相愛なことくらいわかってるのに。
「俺が言ってるのはそういうことじゃない」
「どういうこと?」
「俺がいなくても、一人で寝られるようになったら完治したってことだろ」
「……あぁ」
そういう、こと。
暖がいなくちゃ生きてけないわたしを、やめさせたいわけね。
「……今のくみんは、俺に依存してるだけにしか見えねぇよ」
ポツリと頭上から落とされた言葉は、やけに重たかった。