寝ても覚めても、離してやんない


 ……え。やば、もしかしてこれって駆け引きになっちゃってる?

 ぽ。頬が熱を持った。

 やるじゃん、くみん。



「ただいまあ~」



 おかげで良い気分で自宅に足を運ぶことができた。

 ガチャッとドアを開けて玄関で靴を脱ぐ。


 リビングの方から「えっ!?」と大声があがり、バタバタ足音が近付いた。



「お姉ちゃん……!?」

「ただいま」

「おっ、おかえりっ……え、あの、暖さんのところには行かないの?」

「今日はこっちで過ごそっかな」

「……!! そっか……そっか! あのねっ、ごはんはカレーにしようかと思ってて!」

「いーね、だいすき」

「ほんとう……っ!?」



 妹が眩しすぎる笑顔を咲かせる。

 だんだんと目に水を浮かべて……あらま。

 口元を覆い、完全に泣き出してしまった。


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