寝ても覚めても、離してやんない

❀❀❀



「だーん、だめ」

「……起きてたのかよ」



 ベッドからすり抜けようとする暖を引き留める。

 今日は睡眠よりも暖と一緒にいる方が重要だから、狸寝入りをかましてみた。



「なんですぐどっか行こうとするの」

「……、あのなあ。気まずいんだよ、こっちは」

「気まずいって、なに」

「くみんの妹に一緒に寝てるとこ見られんの。向こうも気を遣うだろ」

「見せつけちゃえばいいのに」



 すり、と暖の胸に頬を寄せる。


 暖はわたしのこと好きなくせに、他人にそう思われるのは嫌なんだね。

 わたしは、暖を一刻も早く自分のものにしたいって焦ってる。


『暖さん、良い人だね』


 って、妹の何気ない言葉でさえ嫌なんだ。


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