寝ても覚めても、離してやんない
「っくそ……やられた」
「なんで唇擦っちゃうの。汚いみたいじゃん」
ギロリと睨まれてしまう。
怒ってるの?
「いーじゃん。嫌じゃないでしょ?」
わたし達、両想いなのなんとなく察してるのに。
お付き合いしましょう、って正式に言葉を交わさないとだめだった?
「……だろ、」
「え?」
なんて言ったの?
「ロマンチックじゃねぇだろ、こんなキス……っ」
……ロマン、チック?
暖が大事にしてることは、それ?
「ぷっ」
ほら、わたしって我慢強くないからさ。
一瞬堪えようとしたけど、体が自然に吹き出しちゃうの。
「……笑ってんじゃねえ」
「ぷぷ、ならどんなキスがロマンチック? してみせてよ」
暖の首に腕を回す。
ぐっと距離を縮めると、また大きな手がわたしの口を塞いだ。