野いちご学園 逆ハーアイドル寮


数秒待っても、返事が返ってこなくて。

20秒たっても無音のままで。


――行ってもいいってことなのかな?


勝手に解釈をして、私はうつむいたまま歩き出した。




それなのに。

私の頭が誰かにゴツン。



「あっ。ごっ、ごごご……ごめんなさい」



ちゃんと前を見ていなかったと焦り、視線をあげる。



私が頭を突き刺してしまったのは、とうせんぼをするかのように両手を広げて立つ直月君で


「知り合いなのか? 生徒会長の朝都先輩と」


飛んできたぶっきらぼうな声に驚き、私は口を開けたまま固まってしまった。



いきなり……なに?

なぜ、総長様のお名前が出てきたの?

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