野いちご学園 逆ハーアイドル寮
ただいまの時間、夜の11時。
セレブ感漂う、寮の広いリビングで。
長いソファに寝転がる環くんの横、私は緊張しながら座っています。
数日前、環くんにお願いをされたんだ。
夜眠りにつくまで、頭をナデナデして欲しいって。
あれ?
環くんって、私のブレザーを抱きしめながら毎晩寝ているんだよね?
コミュ障の私にとって、男性に触れるという行為自体が難易度高すぎなの。
ドキドキで心臓が肌から逃げ出しちゃうと困るので、ご遠慮できますか?
と、丁重にお断りをしたかったのですが……
『俺がアイドルをやる条件だったんだ。心優しいひーちゃんなら、毎晩ナデナデしてくれるよね?』
美少女より麗しい環くんが、ニコッ。
ホラー映画の悪魔並みの不気味な笑みを浮かべて、私を脅してきたので。
……うっ。
私は受け入れるしかありませんでした。