野いちご学園 逆ハーアイドル寮
もう環くんも直月君も。
同い年だからか、すぐに言い合いになっちゃうんだから。
「姫歌、MCやってみろよ。オマエなら絶対にできるから」
総長様……
「でも、緊張しすぎて声が出なくなっちゃったら……」
「その時は、ステージの上でオロオロすればいい」
「えっ?」
「それも姫歌の魅力の一つだ。困り顔の姫歌を見た観客たちは、頑張れってオマエを応援したくなるはずだから」
「私のせいで賞が取れなかったらと思うと……怖くて……」
「バーカ」
「……?」
「俺らが生ぬるいパフォーマンスなんかするかよ。この4人で最高のステージを作り上げて、審査員全員一致の最優秀賞をとってやるから安心しろ」
総長様がイヒヒと笑いながら、私の頭に手を乗せた。