野いちご学園 逆ハーアイドル寮
みんなが私の背中を押してくれているけれど。
本当にいいのかな?
アイドル紹介という大事な役目を、私なんかが引き受けて。
生徒のみんなは、私より稲森さんのほうが適任だと思うに決まっている。
でも……
初めてなんだ。
人前に立つ恐怖よりも、自分の可能性を信じてみたいと心が前向きに疼いたのは。
やってみたい。
頑張ってみたい。
総長様たちがステージから見るキラキラな世界を、私も堪能してみたいんだ。
私は覚悟を決めた。
こぶしをギュッと握りしめながら、目をカッと開け顔をあげる。
「アイドル選手権の紹介MC、私にやらせてください」