野いちご学園 逆ハーアイドル寮


「紹介MC……辞退します……」



「花園さん、本当?」



「私より稲森さんが適任です……稲森さんにお任せしようと思います……」



「今から体育館に行って、この動画を生徒みんなに見せちゃうけど。最後にもう一度確認させて。花園さん本当にいいんだよね?」


「……はい」



悔しいけれど、これが最善策だと思うから。



唇をかみしめる私の横。

撮影していたスマホを教卓に置いた一人が、「ヨッシャー」とガッツポーズを決めた。



「もう~。もっと早く花園さんに辞退して欲しかったよ。そしたらうちらも、壮行会で総長様たちが体育館のステージに立つ姿、最初から見れたのにさ~」


「まぁ良いじゃん。うちら三人のおかげで、アイドル選手権大会で野いちご学園が良い結果を残せそうって感じになったわけだし」


「生徒全員から、感謝して欲しいくらいだよね~」


「こうしちゃいられないね。早く体育館に行こ。花園さんからMCが(うらら)ちゃんになったこと、みんなに知らせなきゃ」

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