野いちご学園 逆ハーアイドル寮
バタバタと遠のいていく、忙しない3人分の足音。
静けさが戻り、安心感が押し寄せてきた。
良かったぁ。
私を責める人がいなくなってくれて。
でも……
安堵のため息を吐いてすぐ、今度は苦しみの大波に襲われちゃった。
やっぱり私は、変われないんだね。
どれだけ努力をしても、根暗地縛霊のままなんだ。
総長様から借りているドクロのヘアピン。
つける資格がないような気がして、私は髪から外す。
編んでいた前髪をほどき、潤む瞳を長い前髪で隠すと
ヘッドフォンで耳の穴をふさぎ
カバンを胸の前に抱え
私はうつむきながら、外のバス停まで急いだ。