野いちご学園 逆ハーアイドル寮

『紹介MC……やめることにしたんです。親身になって教えてくれたのに……裏切るような真似をして……本当にごめんなさい』って。



わんわん泣きながら、私よりも稲森(いなもり)さんの方が適任だと伝えて。



コミュ障な自分が持っているコンプレックスや嫉妬心。

醜すぎる感情もすべて吐き出して。



そのあいだ華夜さんは、無表情で私の泣き言を聞いていた。



暴走族の元姫で、自分にも他人にも厳しい人。



『逃げるな! 一度決めたことはやり通せ!』


そう怒鳴られると覚悟をしていたのに。



『なんでそんなに辛いことを、一人で抱え込んでたのよ。もっと私を頼りなさいよ! 遠慮なく甘えなさいよ!』



目に涙をためながら、私をギューって抱きしめてくれた。

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