野いちご学園 逆ハーアイドル寮


誰も玄関のドアを開けないからだろう。

10秒おきにピンポーンが家じゅうに鳴り響いて。



両親とも仕事で家にいない。

唯一家にいる私が玄関を開けるまで、インターフォンを押されちゃうのかも……



急に焦りがこみあげてきて、私は布団を剥ぎ、慌てて階段を駆け下りた。



まだ私は、うす水色のモコモコパジャマ姿。

人前に立つ姿じゃないことにも気づかず、誰が来たのかを確認もしないまま、玄関のドアを開ける。




「あっ!」



驚いたように口を開け、玄関ポーチに立っている人が固まってしまった。


もちろん私も「なぜ?」とハテナを浮かべながら、目を見開いてマネキン化している。




どうして私の家の玄関先にいるんですか?


サンタクロースとして、プレゼントを届けに来てくれたんですか?



そんなわけないと、わかっています。


でも、この状況が現実だとは思えないんです。



休みの日の朝、我が家に来た理由を教えてください。



……絢人(あやと)先生。




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