野いちご学園 逆ハーアイドル寮
☆絢人先生side☆
生徒宅の玄関先に立っている自分。
モコモコのパジャマ姿の女子が、飛び出すんじゃないかと心配になるくらい目を大きくあけて、長い前髪の隙間からグリグリな瞳を私に突き刺してくる。
相変わらず、ほんとうに可愛い人ですね。
やわで儚げで、男として守ってあげたくなるんです。
心の中でふわっと花開いてしまった、私の本心。
それは、教師として抱いてはいけない感情で。
この子が野いちご学園に入学した時から、私が心の宝箱にしまい込んでいる秘密ごとで。
「どっ…どうしたんですか? 冬休み中ですよ……先生が私の家に来るなんて……」
オロオロと肩を震わす花園さんに
「今朝、アイドル選手権大会に出る4人をお見送りした時に託されました。花園さんに渡して欲しいそうです」
教師顔で微笑むことしかできないことが、もどかしくてたまらない。