野いちご学園 逆ハーアイドル寮


私が手にしているもの。

それは真っ赤な封筒。

表面には大きなクリスマスツリーが描かれている。



「東条くんたち4人は、花園さんにどうしても伝えたいことがあるみたいですよ」



困惑する花園さんに封筒を渡し終えた私は、空を見上げながら今朝の出来事を思い出す。





アイドル選手権大会用の荷物を詰め込むため、朝早くから野いちご学園に来ていた東条くんたち。



先生全員で見送ろうとなったため、私も早起きをして学園に。



駐車場で車を降りた直後、東条くんたち4人に呼び止められた。



『この手紙をどうしても姫歌に読んでもらいたいんだ』


『でも俺たち、もう出発しないとリハーサルに間に合わなくて』


絢人(あやと)先生お願いします』


『この封筒を、2年E組の花園(はなぞの)姫歌(ひめか)に渡してください』

< 236 / 290 >

この作品をシェア

pagetop