野いちご学園 逆ハーアイドル寮
私が手にしているもの。
それは真っ赤な封筒。
表面には大きなクリスマスツリーが描かれている。
「東条くんたち4人は、花園さんにどうしても伝えたいことがあるみたいですよ」
困惑する花園さんに封筒を渡し終えた私は、空を見上げながら今朝の出来事を思い出す。
アイドル選手権大会用の荷物を詰め込むため、朝早くから野いちご学園に来ていた東条くんたち。
先生全員で見送ろうとなったため、私も早起きをして学園に。
駐車場で車を降りた直後、東条くんたち4人に呼び止められた。
『この手紙をどうしても姫歌に読んでもらいたいんだ』
『でも俺たち、もう出発しないとリハーサルに間に合わなくて』
『絢人先生お願いします』
『この封筒を、2年E組の花園姫歌に渡してください』