野いちご学園 逆ハーアイドル寮
「なっ、なんで知ってるんですか?」
「会うたびにアイツが、俺に歌ってきたんだよ。花園が作る曲は最高だって、目じりを垂らしながらな」
「だ……だれ?」
「結城絢人。理科担当の」
そっ、そうだよね?
絢人先生しかいないよね?
私の趣味が作曲だって知ってるのは、絢人先生だけだし。
総長様は私の肩に両手を置くと、妹を愛でるお兄ちゃんみたいな優しい笑みを浮かべた。
「花園には才能がある」
ひぃあ?
「……才能……ですか?」
「オマエの曲は人間の感情を操ることができるんじゃないかと、俺は思ってる」
曲で人間の感情を操ることができる……才能?
言葉が深すぎて、意味はよくわかりませんが……
「才能なんて……私なんかにあるはずが……」
「オマエさ、俺をけなしたいわけ? 俺の音楽センスがひん曲がってるって、言いたいの?」