野いちご学園 逆ハーアイドル寮
「はぁ? 一歩も踏み出さないまま諦めるとか、それでも野いちご学園の生徒なのか!」
総長様、重いため息なんか吐き出さないでくださいよ。
私はれっきとした、野いちご学園の生徒です。
成仏できない地縛霊みたいな私の暗い顔写真入りの生徒手帳、お見せしましょうか?
「花園姫歌。今日から寮に住んでもらうから」
……えっ?
今何か、とんでもない爆弾が投下されたような。
まっ、気のせいか。
「俺様が合格の烙印を押したくなるくらいの神曲ができあがるまで、俺ん家の寮に監禁な」
ひゃっ!!
なっななな、なんですと!!
「今まで通り、高校に通うのは許可する」
「えっと……」
「安心しろ。寮の隣には俺の家があって、俺の母親と妹が住んでるから」