野いちご学園 逆ハーアイドル寮
キッチンの前に立ったまま浮かべてくれたのは、ワルめいた笑顔。
『総長様の方が、お早いじゃないですか』なんて、気軽に会話を続けられたらいいのですが。
心の声を言葉にできないコミュ障の私は、口をピッタリ閉じて黙りこむのみ。
「昨日遅くまで、曲作ってくれてたんじゃないの? まだ寝てればいいのに」
そっ、それはダメです。
総長様に、全ての家事をお任せするなんて。
「てっ、、、ててっ……手伝います……」
「またそれ? 家事は一切やらなくていいって、寮に来た初日に言ったはずだけど」
「でも……」
「部屋に戻って二度寝してこい。総長様命令だ」
……っ、さすがにそれは。
「遠慮はするな。二度寝は気持ちいいぞ。朝食が全部できたら、姫歌の部屋に起こしに行ってやるから、なっ」
「……」