野いちご学園 逆ハーアイドル寮


リビングに一歩入ったところで立ち尽くしている私。

緊張で、前髪を触る手が止まらない。



そんな中、誰かが私の肩をポン!

背後から手が伸びてきて


「ひーちゃん、おっはよー。だーれだ!」


目隠しをされてしまいました。



誰だかわかるよ。

私を『ひーちゃん』と呼ぶのは、世界中探してもこの人しかいないし。



この寮に来た次の日


『総長は花園さんのことを姫歌(ひめか)って呼ぶことにしたの? ぬけがけ? ずるいじゃん! じゃあ俺は、ひーちゃんって呼ぶね』


と、総長様に対抗意識をメラメラと燃やしていた、お昼寝大好き・きまぐれ系王子様。

珠須島(すずしま)(たまき)くんです。



ボーイがかったエンジェルボイス。

聞き間違えるはずがありません。

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