野いちご学園 逆ハーアイドル寮
食事を終え、使った食器を総長様が食洗器に突っ込み終わったころ。
「あに~ 髪しばって~」
廊下を走るバタバタ足音が、聞こえてきました。
ドアを開けリビングに飛び込んできたのは、胸までのびたウエーブヘアを豪快に揺らす女の子。
東条朝湖ちゃん。
まだ幼稚園児の朝湖ちゃんは、総長様の妹さんで。
「早く縛って! 今すぐ! 私、待つのが大嫌いなの!」
意志の強い瞳と堂々とした物言いは、総長様と同じ血が通っているんだなと納得してしまうほど。
「わかった、今縛ってやるから」
濡れた手をタオルで拭きながら、朝湖ちゃんのところに向かおうとした総長様でしたが
「はぁ? 今朝もかよ」
朝湖ちゃんを見て、おでこに手を置きながら肩を落とした。
「お兄様に会いに来たんじゃねーの? 髪、縛ってやらないぞ!」