野いちご学園 逆ハーアイドル寮


食事を終え、使った食器を総長様が食洗器に突っ込み終わったころ。


「あに~ 髪しばって~」


廊下を走るバタバタ足音が、聞こえてきました。



ドアを開けリビングに飛び込んできたのは、胸までのびたウエーブヘアを豪快に揺らす女の子。



東条(とうじょう)朝湖(あさこ)ちゃん。



まだ幼稚園児の朝湖ちゃんは、総長様の妹さんで。


「早く縛って! 今すぐ! 私、待つのが大嫌いなの!」


意志の強い瞳と堂々とした物言いは、総長様と同じ血が通っているんだなと納得してしまうほど。




「わかった、今縛ってやるから」


濡れた手をタオルで拭きながら、朝湖ちゃんのところに向かおうとした総長様でしたが


「はぁ? 今朝もかよ」


朝湖ちゃんを見て、おでこに手を置きながら肩を落とした。



「お兄様に会いに来たんじゃねーの? 髪、縛ってやらないぞ!」

< 91 / 290 >

この作品をシェア

pagetop