美形なら、どんなクズカスでも許されるの?〜いや、本当ムリだから!調子乗んなって話だよ!!〜
あれから、ショウと桔梗は三日間学校を休んだ。

先生はショウと桔梗が休んだ理由は、風邪で熱がありふらつきが酷いからだと教えてくれた。だけど、その情報は本当なのだろうか?
昨日の桔梗の状態を見るに、風邪などではなく桔梗が絡んだ休みだと思う。

ショウ達が休んでいる間、結達は心配でメールなど送っていたが一向に既読は付かず。

モヤモヤしている結達に、風雷は

「桔梗が“あんな状態”だからな。それどころではないのだろう。桔梗が良くなるまでそっとしておいてくれ。良くなったら、自ずと連絡は来るだろうから安心してほしい。」

と、助言した。それもそうだと、メールを返せないほど体調を崩しているのだろう。昨日の桔梗の状態はあまりに異常だった。
あんな状態の桔梗に寄り添っているショウだって、メールだの何だの無理があるのは容易に想像できる。

そこまで頭が回らなかったと結達は心配だったとはいえ、しつこいくらいのメールをショウや桔梗に送ってしまって申し訳ない気持ちになった。…ションボリである。

そして、ショウ達が学校に登校して来た時には、結達の頭の中から“桔梗の錯乱”“ショウの真命”の事はすっぽりと記憶から消えていた。

代わりに、桔梗の医療魔導(記憶操作)により風雷以外みんな(A組とF学校のクラスメイトや先生方も)

“一昨日あたりからショウの体調が優れず、みんなで心配して帰るように言っていたが無理して最後まで学校にいたせいだろう。
昨日、ショウの体調が悪化して休んでしまった。風邪らしい。ショウと一緒に暮らす桔梗にもショウから風邪がうつって熱があるらしく一緒に休んだ”

と、いう記憶にすり替えられていた。

登校して来たショウは少し足がおぼつかなく腰も痛いのか歩き方が変だった。
それを心配そうに「…大丈夫?…ごめんね…」と、何故か申し訳無さそうに謝りながらショウを支える桔梗の姿があった。

玄関でみんなと会った時

「…おはよう。…あのね、メール来てたの気づけなくて、ごめんね?」

と、申し訳無さそうに謝るショウの声はガラガラで、声を出すのも辛そうだった。もう6月も末だというのに首にスカーフを巻くくらい喉も痛めているのだろう。

衣替えで半袖になった制服は寒いので、長袖のカーディガンも着込んでいる。

「いいんだよ、そんなの!?風邪だろ?
無理しないでくれよ?ショウ達がそんなに辛い時に、何も考えずしつこくメールしたコッチが悪いんだからさ。」

ショウが謝ると、逆に結も謝ってきてそれを皮切りにフジや陽毬も謝ってきた。

だが、ショウと桔梗の様子を見て風雷と蓮は気付いていた。

風雷は仕事で“そういった行為”を何度も目撃したり“現場に赴き“その惨劇を見ざる得ない時”だってある。

…ハア。

医療魔導でショウの体を治せるくせに、情事の跡だけは

“自分のモノだ。誰にも渡さない。”

そういった独占欲と牽制から敢えて治さない。

おそらくは、ショウの身体中のあちこちに吸引性皮下出血(キスマーク)ができているに違いない。だから、制服で隠せない部分はスカーフやカーディガンで誤魔化しているのが丸わかりだ。

桔梗は、自分がショウに付けたマーキング具合を見るたび感じる度に、優越感や多幸感でいっぱいになると、言って聞かされる事が多いので(惚気の一部)そうだと断言できる。

同時に、“あんな状態になった桔梗”は我を忘れて獣のようにショウを貪るらしく。桔梗が正気に戻った時、ショウに無理強いをして乱暴にしてしまったと罪悪感に苛まれるようだ。

だが、やはり自分の色に染まっているショウを見て、ショウを独占できたと喜びが大きく込み上げ何とも言えない高揚と悦楽がゾクゾクっと体中を走り抜け堪らない気持ちになるのだとも言っていた。

…とんだ変態な親友をもったもんだ。

普段は、ショウにほんの些細な傷や痛みであっても大袈裟なくらいに慌てて、使わなくていい魔導を使って直ぐに治してしまう。

“普段は修行以外で魔導を使う事を禁ずる。緊急事態のみ魔導を使う事を許す。”

なんて、命令されてるというのに。

些細な事で魔導を使った事が(オブシディアンの報告により)直ぐにばれて、いつも“あの方”に怒られ喧嘩しているくらいなのにな。

と、風雷はとても呆れていた。


蓮の場合は、女性経験の豊富さから分かった。

…しかし、こうも彼女の体が動かなくなるまでヤれるもんだよね。

いくら、絶世の美女相手だろうが相手がこんなになるまで普通ヤらないよ。

セッ◯◯依存性かって思ってしまう。どれだけ絶倫なんだよ、久遠(桔梗)は…

そんなにセッ◯◯が好きなら、セフレでも作った方が宝来(ショウ)に負担が掛からないんじゃない?

それに毎日ヤりたいって言うくらいだから久遠(桔梗)本人も宝来(ショウ)だけじゃ足りなくてムラムラしっぱなしでキツイと思う。

それに、一人の体だけじゃ飽きちゃうよ。
ヤってみなきゃ、その人との体の相性だって分かんないんだしさ。

だから、その場限りの人でもいいから、宝来(ショウ)以外で性欲を発散させればいいのに。

なんで、宝来(ショウ)一人にこだわる必要あるの?

どんな理由があったか分からないけど、パイプカットしてるんだから子供ができるって訳じゃないんだから。

ただ、パイプカットしても性病は防げないから、そこはしっかりマナーを守ってさえいればいいんだしさ。

と、性に寛容な蓮は、桔梗の考え方や行動が理解し難く呆れている。


だからか、無意識に

「…パイプカットしてるんだから、その場限りの相手とかセフレ作ればいいのに。」

なんて呟いていた蓮の言葉を、結やフジ、陽毬は聞き逃さなかった。

途端に、何故か女の敵と言わんばかりの絶対零度の冷たい視線を感じ、蓮はゾワリと背筋が凍る感覚がした。

そして、自分達の教室に向かう彼女達は蓮の横を通り過ぎさま、ギッと睨むと

「…最低だわ。」

「まさに、女の敵でありますな。」

と、フジと陽毬は心底軽蔑した声を出した。

…え!?と、蓮は思わず自分の口を塞ぐと

「…まあ、どんまい。」

なんて、結は哀れみの目で蓮を見ると慰めの言葉を掛けられた。その直ぐ近くには桔梗がいて、フ…と、目を細め蓮を見ると

『人それぞれの価値観があると思う。君の価値観を否定するつもりも肯定するつもりもない。
君にとっては理解不能な話だと思うけど、どうやら俺は“ショウ”以外は性の対象として見られない潔癖症みたいだ。』

なんて、話をしだしてきて、こんな場所(玄関)でそんな込み入った話をするのは少し常識に欠けるんじゃないかと蓮は眉を顰めた。

だが、不思議な事に桔梗の口は動いてないし、周りの生徒達も桔梗の美しい姿見たさにチラチラ見てはいても、桔梗が喋ってる事に対して何の反応も見せていない。
蓮以外周りは、まるで桔梗の話声が聞こえていない様に見える。

…あと、直接脳に話し掛けられてる感覚があり、慣れない感覚に気持ち悪さを覚える。

『だけど、俺はそんな自分が気に入ってるし、これ以上ないくらい最高に満足してるよ。
それで周りに多大な被害も迷惑もかける訳でもないし、何より一番大切な人を悲しませる事がないから最高のギフトだと常々感じてるよ。
だから、君に俺の価値観や倫理観をどやかく言われる筋合いは無いよ。』

そう釘を刺された。

久遠(桔梗)の言い様を聞いてると、俺がとんでもない悪者みたいに聞こえてならない。

『…けど。…あ〜〜〜…ッッッ!!!!!
俺のこの気持ちが理解できないなんて勿体ない。本当、残念すぎるし人生損してるよね。
あ〜〜〜、そんな事言われたって分からないよね?それが、信じられないけどさ。
本当に残念だよ。…可哀想に。』

『……………。』

『…うわぁ…!ダメだ!!
いくら考えても、ほんっっっとうに勿体ない!!!』

…しかも、最後らへんめちゃくちゃ訳の分からない自慢されたし、すっごい馬鹿にされた感が否めない。

めちゃくちゃ、腹が立ってしょうがないな!

…何なの?コイツッ!!

かなり性格悪すぎない?

……さいっあく!!

でも、あんな底辺のチビデブな残飯女(ショウ)自慢されたって羨ましくも何ともないんだけど!むしろ、趣味が悪過ぎて久遠(桔梗)が可哀想すぎるんだけど。

それでマウント取られるってのが、すっっっごく腹が立つ!!

心の底から、全くもって全然羨ましくないよ!!!むしろ、久遠(桔梗)の趣味が残念過ぎて可哀想になるくらいだ。

それに、フジ令嬢と陽毬令嬢の俺に対しての軽蔑したかの様なあの雰囲気。

そして、その一言に込められた言葉は、まるで俺が汚れきった汚物だと言ってるも同じじゃないか!?

と、蓮はとても不愉快な気持ちで腹立たしくムカついて仕方なかった。

…イライラ…!!!

あと、最後の結嬢の“どんまい”って、何なんだよ!何が、どんまいなんだよ。

意味が分からない!

風雷は我関せずといった感じに何事もないかのように、ショウに絡みつく桔梗とたわいもない話をしている。

たわいもないと言っても…一般人では理解できない難しい話。

魔導学において錬金術と化学、数式が密接に関係していて宇宙のエネルギーの…とか、全然分からない難しい専門用語までバンバン出てきていて、聞いているだけでキャパオーバーで頭がおかしくなってしまいそうだ。

…全く、ついていけない。

本当に、この二人はどれだけ頭がいいんだよ。絶対、学校レベルの話じゃないだろ。専門職でも高等レベルな話をしてるんだろうと容易に想像できる。

そんな二人は、世界一偏差値が高く様々な分野に特化した世界でも有名な大学、大学院まで卒業して首席で卒業している噂がある。

そこまでは、いくら何でも噂に色がついて大袈裟な噂にまで発展したのだろうとは思う。

だけど、この二人が天才なのは分かる。

そんな二人が中学校に来たって何も学ぶ事がないだろうし

何より不思議なのが、女遊びをする訳でもない。友達と“年相応の遊び”や“やんちゃ”をする訳でもない。

何の為に中学校に通ってるのという疑問しかわかない。


なんて、考えながらトラウマになっているという理由もあり。女遊びも自粛して詰まらない日々を過ごしていた蓮は家に着くなり、結に何気なく二人についての“噂”の話をした。

「あまりに、話が大きくなり過ぎて久遠(桔梗)も朱雀院(風雷)も学校に居づらいんじゃない?いくら何でも、話が肥大化し過ぎてるよね。」

と、気の毒そうに話す蓮に、結は何故か眉をクイっと下げ苦笑いしながら

「…あ〜…。ぶっちゃけ、あの二人は噂以上だよ。噂以上ってか…噂より遥かに凄いっつーか人智を超えた凄さってのかな?」

なんて、歯切れ悪くも二人についてザックリと説明してくれた。

桔梗と風雷は世界の大学、大学院と首席で卒業して様々な国際資格や国家資格も持っている事を聞いて腰を抜かす程驚いた。

しかも、二人共職に就きながら中学校に通っているという。

桔梗はショウの従者、風雷は何の仕事をしているかは仕事上学校を卒業するまで明かされない事になっているらしい。

噂以上に凄すぎるじゃないか!と、二人と自分を比べて同い年であるのに、どうしてこうも違うのかと気を失いそうになった。

「…え?何の為に中学校通ってるの?意味なくない?」

驚愕して質問する蓮に

「二人共、子供なくせに大人みたいに達観視してるってのかな?体は子供、中身は人生を悟った大人みたいな?自分で言っててよく分かんなくなっちゃったけど。
…まあ、あんなだからさ。二人の保護者が、二人の精神面を心配したらしいよ。
だから、同じくらいの年齢の子達と過ごす社会勉強とその年齢でしかできない青春を謳歌してほしいって願いから、中学校、高校生まで通わせる事になったんだってさ。」

そう、説明する結の言葉に、確かにと思う所が多々あった。

「あと、勉強に関してはどの中学校、高校に入っても二人にとっては不要な事が多いからね。
ショウちゃんが入学する中学校、高校に着いていく形になるらしいよ。
なにせ、桔梗君がショウちゃんから離れたくないからさ。風雷君は、親友の桔梗君に着いていく感じらしいね。」

動機は少々不純だが、確かに中学校、高校生と同い年くらいの子達と一緒に過ごす時間は貴重だと思う。

そこで、同い年の子達や年の近い年上、年下の子達。先生方とのコミュニュケーション能力を身につける。

大勢いる中でのストレスコントロール。

何か夢中になれる事を見つけ、目の前の目標に向かって一生懸命にやり続ける事。

学校では、おそらく勉学の他にその様な事を学びの場としているのだろうと思う。

だからこそ、二人にはそれが足りていないと両親が判断したのかもしれない。

そう思ったら、納得の答えである。

桔梗と風雷の事について、しばらく玄関で話し結と蓮は解散した。


蓮は学校から出された宿題をしながら考えていた。今朝、学校の玄関で蓮が思わず口走った言葉で、フジや陽毬に軽蔑された事もそうだが。

桔梗に言われた言葉が引っかかってならない。

“自分はショウ以外は性の対象として見れない潔癖。だけど、それが桔梗にとっての最高のギフト”

だと。それに、結に聞いた話だと赤ん坊の頃からショウと桔梗は一緒に暮らして、幼い頃から桔梗はショウの世話をしているという。
しかも、驚くべき事に物心ついた頃には二人は自然に恋人同士になっていたのだとか。

そんなに一緒にいて、いい加減飽きないのか?

そう思うが、ショウや桔梗の様子を見る限り…。いや、桔梗がショウと一緒に居る時は、毎日毎秒ととても幸せそうで色々とやる気に満ち溢れキラキラ輝かんばかりにハツラツとしている。

桔梗と一緒のクラスだから知っているが、ショウと離れた桔梗は落ち着いた雰囲気があり、人当たりの良さそうな大人びた完璧紳士。

だが、一定距離人と線引きしていてそれ以上近づかせてくれない。
相手が心を許して仲良く話していても、桔梗は愛想良く物腰柔らかく受け答えしているように見えるが、どこか壁を感じ少しも心を開いていないように感じる。

そんな桔梗が、ショウと一緒に居る時は自然体でとても心が安らいでいるように見える。表情も柔らかくなり人間味が出ている。
ショウに心をオープンにしている証拠なんだろう。

そして、ショウが大好きで大好きで堪らないと言葉だけでなく全身の体を使ってアピールしてくる。まるで、永遠に終わる事のない超甘えん坊モードに入ったデカい猫を見ている気分だ。

ショウとそれ以外の人間で、こうも違うなんて驚きだ。


あと、風雷の事も心から信頼してるらしく、自然体で他の人には絶対話さないであろう惚気や難しい話など、下ネタまで色々話しているようだ。

まあ、それはさて置いてだ。


蓮は、思う。

一人の女性を愛し続けるってどんな気持ちなんだろう?

蓮は物心ついた頃から、両親や祖父母までも性に奔放でセフレや愛人など多くいて、誰が自分の親なのか小学生になる頃まで分からなかったくらいだ。

両親はおろか、祖父母も若い子が好きで自分の子供かそれよりも若い人達をセフレ、愛人にしていたから。

何故、小学生になる頃に自分の両親が分かったかというと理由は簡単。

長持ちしていた愛人、セフレと別れた事でお古が男女一人づつ残ったからだ。それからも、大勢の愛人やセフレが家に出入りしていて色んな場所で盛っている。

だから、蓮のセフレや彼女が妊娠しても家族は何も咎めなかったし、手際良くその処理をしていたのだ。自分達が、そうだから手際が良くて当たり前な話である。

そんな環境で生まれ育った蓮は、恋や結婚、性に関する倫理観が歪められた為、一途に人を愛するという事を知らない。

恋人やセフレに夢中な蓮の両親、祖父母は、自分の子供や孫にまるで関心がない。自分達だけ良ければそれでいいのだ。

だけど、世間体もとても大切にしている人達だから家族が上手くいっているという見せかけが上手い。家から一歩、外へ出ればとても教育熱心で愛情たっぷりの素晴らしい両親、祖父母に早変わりだ。

そんな自分の家庭が異常だと知ったのは、結構早かった。

幼稚園の頃の先生の話や、道徳で習う実話の優しい家族の話。あと、一番は友達と家族の話をした時だった。

どこの家庭も何かかしら違いはあれど、それでも蓮の家族が異常過ぎて人には言えない事ばかりなのだと知った。

何より幼稚園に通う前に、両親や祖父母に

“祖父母や両親に愛人やセフレがいる事。男女の行為をしている事など絶対に人には話してはいけない。もし、話したら直ぐにお前を捨てる。”

と、脅され恐怖した幼い蓮は絶対に人にこの事は話さなかった。…話せなかった。

その時は、どうしてその事を話してはいけないのか全然分からなくて混乱したしパニックになったが。

だけど、話さなくて正解だと賢い蓮は思った。

だって、自分の家族が異常でこの事がバレたら、きっとみんなに仲間外れにされて虐められてしまうだろうから。

この時、“浮気”や“不倫”という言葉を知りそれが一般的にとても良くない事だという事も知った。

良くない事をたくさんしている両親や祖父母は悪者だから、蓮が幼稚園に入る前に必死になって“家の事を話すな”と言っていたのだなと幼心に思った。

そんな環境で育った蓮だから“一途な恋”や“純愛”など存在しないくだらない夢物語だと思っていた。

だが、色々あって結の家にお世話になるようになって、結の両親や颯真家族の家族の在り方や夫婦間を見て自分の概念はグルリと回転し始め

最近ではあるが、桔梗の恋愛観、驚いたのはフジのまさかのピュアッピュアな恋心を目の当たりにして

“一途な恋”

“純愛”

“盲目的な愛”

“ピュアな恋愛”

“純粋な恋愛”

などと、いう気持ちや心に動かされる恋・恋愛が存在していた事にひどく驚いた。

それに、絶賛真剣交際中の桔梗とまさかの片思い中のフジ。恋をするだけで、あんなにも恋する人の世界が色鮮やかに煌めき心が躍れるものかと驚きっぱなしになる。

蓮は、そんな恋を知らない。

女性経験豊富な蓮だが、そんな気持ちになった事がない。そんな気持ちなんて都市伝説か何かだろと思っていた節がある。

つまり、蓮は恋愛においてとてもドライであった。

蓮の恋愛判断基準は、見た目と体の相性(セフレ)、+高スペックで家柄もいい(恋人)である。

心や気持ちで動かされる恋か…

そんな事、考えた事もなかったな。

実際、そんな恋なんてできるものなんだろうか?

もし、心が突き動かされる恋をしたら、今までの恋愛と何が違うのだろうか?

あるものなら、“胸を焦がす程の恋”をしてみたいと思った所で蓮はハッと我にかえり


「…久遠(桔梗)とフジ令嬢に当てられすぎだろ、俺。…ハハッ!…バッカみたい。」

そう言って下らないとばかりに自虐していた。
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