甘く痺れる恋情~華麗なる御曹司は愛しい運命をもう二度と手放さない~
三章 抗えないほどの愛執
東京に戻って、一週間が経った。
私は相変わらず旺志さんの家にいて、彼と住んでいる。


といっても、同棲のような甘い生活じゃない。あくまで居候という形だと思っているけれど、旺志さんがなにを考えているのかはわからなかった。


彼は土日以外、毎日仕事に行っている。朝は八時頃に家を出て、夜はだいたい二十一時くらいには帰ってくる生活だ。


夕食には必ず出張シェフを呼び、毎日バラエティー豊かな料理が提供されている。
昨日はフレンチ、一昨日は中華、その前はスペイン料理だった。最初の和食以外だと、イタリアンが振る舞われた日もある。


先週の土日は、昔よく行ったホテルのレストランで食事をした。


朝食は旺志さんが用意してくれ、昼食は家政婦さんから『お作りするように言われているので』と出されている。
材料さえあれば自分で作るのに、私はなにもさせてもらえなかった。


もちろん、ひとりでの外出だって許可されていない。
一度マンションから出ようと試みたけれど、外にいたSPに『お戻りください』と制されてしまった。


ただ、そんな私の行動が報告されているはずなのに、彼はなにも言わなかった。
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