甘く痺れる恋情~華麗なる御曹司は愛しい運命をもう二度と手放さない~
(これで思い知っただろ、ってことだったのかな)


再会後の旺志さんは、付き合っていた頃の彼とは違う。
優しさだけは垣間見えるものの、私をこの家に閉じ込め、自由を奪っている。


会話らしい会話は少なく、笑顔だってない。私も旺志さんとなにを話せばいいのかわからなくて、彼の前では口を噤んでばかり。


ただ、ベッドの中だけは旺志さんは饒舌だった。


「京都に行ったとき、ヘリでこっちに戻ってきたことを覚えてるか?」


今夜も私をベッドに連れ込んだ彼が、静かな部屋で切り出す。
私が小さく頷くと、ふっと瞳が緩められた。


「せっかくの京都旅行だったのに、結局はろくに観光もできなかったな。真白が行きたがってた嵐山には行けなかったし、花だんごも食べさせてあげられなかった」


あれは、付き合って半年が経った頃のこと。
旺志さんの提案で二泊三日の京都旅行に繰り出したのだけれど、二日目の朝に彼のスマホにトラブルがあったと報告が入り、京都からヘリコプターで戻ったのだ。
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