甘く痺れる恋情~華麗なる御曹司は愛しい運命をもう二度と手放さない~
神室グループのプライベートヘリに初めて乗せてもらったのは、あのときだった。
まさか東京までヘリで戻ることになると思っていたなかったから、彼に言われるがまま動くことしかできなかったけれど。初めて乗ったヘリから見る景色に感動して、旅行がキャンセルになったことへの落胆はすぐに消えた。
突然のことに驚いたし、旺志さんは申し訳なさそうにしていた。
けれど、その夜、彼は『京都旅行がキャンセルになったお詫びに』とヘリから夜景を見せてくれた。
「でも、生まれて初めてヘリに乗せてもらって、夜には夜景も見せてくれたよ」
ぽつりと返せば、繋いでいた手に少しだけ力が込められる。
「ああ、そうだな。真白は子どもみたいにはしゃいでた」
ふわりとたわませられた瞳が、今もまだあの頃の思い出を大切にしていると語っているようだった。
嬉しそうに見える表情に、なにも言えなくなる。
この家に来た二日目の夜から、旺志さんはこうして思い出話をするようになった。
初日の夜と同じように手を繋いだら、彼がひとつずつ幸せだった頃のことを口にするのだ。
まさか東京までヘリで戻ることになると思っていたなかったから、彼に言われるがまま動くことしかできなかったけれど。初めて乗ったヘリから見る景色に感動して、旅行がキャンセルになったことへの落胆はすぐに消えた。
突然のことに驚いたし、旺志さんは申し訳なさそうにしていた。
けれど、その夜、彼は『京都旅行がキャンセルになったお詫びに』とヘリから夜景を見せてくれた。
「でも、生まれて初めてヘリに乗せてもらって、夜には夜景も見せてくれたよ」
ぽつりと返せば、繋いでいた手に少しだけ力が込められる。
「ああ、そうだな。真白は子どもみたいにはしゃいでた」
ふわりとたわませられた瞳が、今もまだあの頃の思い出を大切にしていると語っているようだった。
嬉しそうに見える表情に、なにも言えなくなる。
この家に来た二日目の夜から、旺志さんはこうして思い出話をするようになった。
初日の夜と同じように手を繋いだら、彼がひとつずつ幸せだった頃のことを口にするのだ。