甘く痺れる恋情~華麗なる御曹司は愛しい運命をもう二度と手放さない~
『今年の冬は去年よりも気温が低い日が多いですね。今日はクリスマスなのでお出掛けする人も多いと思いますが、夜は特に冷え込むので暖かくして過ごしてください』
気象予報士がそんなことを話す夕方のニュースを聞きながら、そうだったんだ……とぼんやりと思う。
東京に戻ってきてからというもの、たいして寒さを実感していなかったのは昨年の冬を過ごした北海道に比べればずっとマシだからなのかもしれない。
北海道にたどりついた日は、ひどく冷え込んでいた。
ちょうど初雪が降ると予想されていた時期だったようで、東京から着の身着のまま出てきた私の格好ではあまりにも心許なかったのだ。
そんな私に気づいてくれたのは、芙蓉に出勤してきた蓉子ママだった。
私はたまたま店の前にいて、私を見たママは開口一番『中へいらっしゃい』とだけ言い、店内に入れてくれた。
『あなた、どこから来たの? この時期の北海道で過ごすには頼りない格好ね』
微笑んだ蓉子ママに東京から来たばかりであることだけを告げると、ママは『うちで働く?』と口にした。
気象予報士がそんなことを話す夕方のニュースを聞きながら、そうだったんだ……とぼんやりと思う。
東京に戻ってきてからというもの、たいして寒さを実感していなかったのは昨年の冬を過ごした北海道に比べればずっとマシだからなのかもしれない。
北海道にたどりついた日は、ひどく冷え込んでいた。
ちょうど初雪が降ると予想されていた時期だったようで、東京から着の身着のまま出てきた私の格好ではあまりにも心許なかったのだ。
そんな私に気づいてくれたのは、芙蓉に出勤してきた蓉子ママだった。
私はたまたま店の前にいて、私を見たママは開口一番『中へいらっしゃい』とだけ言い、店内に入れてくれた。
『あなた、どこから来たの? この時期の北海道で過ごすには頼りない格好ね』
微笑んだ蓉子ママに東京から来たばかりであることだけを告げると、ママは『うちで働く?』と口にした。