甘く痺れる恋情～華麗なる御曹司は愛しい運命をもう二度と手放さない～

「でも、旺志さんから離れると決めたのは、私だから……」

「いや、真白は悪くない。神室の関係者が真白に接触した可能性も考えてたのに、俺が調べたときにはそんな事実は出てこなかった。俺はそれを鵜呑みにしてしまった」


旺志さんが後悔を滲ませるように、眉をグッと寄せた。


「両親に『別れてくれ』なんて言われたら、真白に選択肢なんてないよな。それなのに、俺は真白を責めるようなことを言ってしまった」


首を小さく振ることしかできない私に、彼は悲しげに微笑む。


「だが、もう手放さない。真白が何度逃げたって、俺は真白を追いかけて探し出してみせる。だから、この先なにがあっても俺と結婚して、ずっと傍にいてほしい」


真っ直ぐな想いが嬉しい。
けれど、同時に胸の中にある不安と戸惑いが込み上げてきた。


旺志さんの傍にいてもいいのか。
神室にふさわしくない私で本当にいいのか。
彼の両親にはどう言えばいいのか。


次々と湧き上がってくる障壁に、素直な想いも言葉も出てこない。