甘く痺れる恋情~華麗なる御曹司は愛しい運命をもう二度と手放さない~
旺志さんは言葉を失くし、程なくして泣きそうな顔で眉を寄せた。
そこから伝わってきた彼の苦しみや葛藤に、これでよかったんだと思う。
「真白さん」
そんな中、沈黙を守っていたおじい様が口を開いた。
「旺志と君を別れさせようと決めたのは、私だ。息子たちにそうするように指示を出し、旺志が君を見つけられないように手を回した」
語られたのは、旺志さんが予想していた通りのこと。今さら驚かなかったけれど、あの日のことを忘れられない胸の奥がずきりと痛んだ。
「家柄ばかりを重視する気はなかったが、さすがに詐欺まがいの投資事業で失敗した斑鳩の娘との結婚は神室にとって汚点になる。認めることはできなかった」
「はい。承知しております」
大きく頷いた私を、おじい様が真っ直ぐに見つめてくる。
「だが、私はわかっていなかったんだ。旺志がどれだけ君を必要とし、愛していたのか……。あの頃の旺志は、まるで抜け殻のようだった。それでも、神室に尽くす旺志を見て、正直胸が痛むこともあった」
まるで私の心の内を探るかのような視線を、私はただしっかりと受け止めた。
そこから伝わってきた彼の苦しみや葛藤に、これでよかったんだと思う。
「真白さん」
そんな中、沈黙を守っていたおじい様が口を開いた。
「旺志と君を別れさせようと決めたのは、私だ。息子たちにそうするように指示を出し、旺志が君を見つけられないように手を回した」
語られたのは、旺志さんが予想していた通りのこと。今さら驚かなかったけれど、あの日のことを忘れられない胸の奥がずきりと痛んだ。
「家柄ばかりを重視する気はなかったが、さすがに詐欺まがいの投資事業で失敗した斑鳩の娘との結婚は神室にとって汚点になる。認めることはできなかった」
「はい。承知しております」
大きく頷いた私を、おじい様が真っ直ぐに見つめてくる。
「だが、私はわかっていなかったんだ。旺志がどれだけ君を必要とし、愛していたのか……。あの頃の旺志は、まるで抜け殻のようだった。それでも、神室に尽くす旺志を見て、正直胸が痛むこともあった」
まるで私の心の内を探るかのような視線を、私はただしっかりと受け止めた。