甘く痺れる恋情~華麗なる御曹司は愛しい運命をもう二度と手放さない~
「別れさせてしまえばそれで済むと思った私は、判断を誤ったんだろうな。昔はこんなことで痛むような心を持ち合わせていなかったが、耄碌したのかもしれん。今さらで身勝手な話だが、孫の幸せを願いたい」
その言葉に驚いて旺志さんを見れば、彼も私と同じように瞠目していた。
「許してくれ、とは言わない。私はふたりにそれだけのことをしたんだ、一生恨まれる覚悟もある。だが、どうか神室を捨てないでくれ。旺志に真白さんが必要なように、神室にも旺志が必要なのだ」
旺志さんの中には、まだ許せない思いがあるのだろう。
おじい様たちだってそんなことは想定済みで、それでも彼を必要としているのだ。
「わかりました」
旺志さんは恨みや憎しみ、苦しみを押し込めるように呟き、おじい様を真っ直ぐ見つめた。
「俺から真白を奪わないのであれば、俺はこれまで通り神室に尽くします」
きっと、彼にとって神室を捨てるのは簡単じゃない。
けれど、過去をすべて受け入れて神室に尽くすのもつらいはず。
だから、私は旺志さんの傍にいたい。
私にできる精一杯で、彼のことを支えたい。
いつの間にか私の手を握り返していた旺志さんは、その手に力を込めた。
私は彼の想いに応えるように、大きくて熱い手をギュッと握りしめた――。
その言葉に驚いて旺志さんを見れば、彼も私と同じように瞠目していた。
「許してくれ、とは言わない。私はふたりにそれだけのことをしたんだ、一生恨まれる覚悟もある。だが、どうか神室を捨てないでくれ。旺志に真白さんが必要なように、神室にも旺志が必要なのだ」
旺志さんの中には、まだ許せない思いがあるのだろう。
おじい様たちだってそんなことは想定済みで、それでも彼を必要としているのだ。
「わかりました」
旺志さんは恨みや憎しみ、苦しみを押し込めるように呟き、おじい様を真っ直ぐ見つめた。
「俺から真白を奪わないのであれば、俺はこれまで通り神室に尽くします」
きっと、彼にとって神室を捨てるのは簡単じゃない。
けれど、過去をすべて受け入れて神室に尽くすのもつらいはず。
だから、私は旺志さんの傍にいたい。
私にできる精一杯で、彼のことを支えたい。
いつの間にか私の手を握り返していた旺志さんは、その手に力を込めた。
私は彼の想いに応えるように、大きくて熱い手をギュッと握りしめた――。