晴れない空の恋心
そう笑顔を残して、カフェから出て行った。
知ってる。あの笑顔の裏に、気持ちを潜めてるって。

強がりで、涙もろくて、前向きで。好きな人がいることは薄々気づいてた。

でも、それが遊だったなんて。

「未那!ごめ__…ありがとう!!!」

振り返った未那はすごく綺麗だった。夕日の空が未那を包む。

その笑顔だけは、確実に嘘じゃない気がした。
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