Dr.luce
一階の一番奥にあるのが救急科だ。「救急センター」と書かれたプレートが見えてくると、ルーチェの心臓がドクンと大きく跳ねる。

「頑張ろう」

自分に言い聞かせるようにルーチェが呟くと、「頑張るぞ!」とアーサーが拳を天井に突き上げながら言い、ティムが「声が大きいよ」と苦笑する。

二人の会話にルーチェも笑いながら、救急センターの自動ドアを通った。



自動ドアを通った先にあった光景を見て、ルーチェが真っ先に感じたのは「どの科よりも広いな」だった。

出入り口の近くにはレントゲンとCTが撮影できるようになっており、何台ものベッドが並び、大きな棚には所狭しと医療物品が並んでいる。エコーなども置かれていた。

そして、広々とした救急科では看護師や医師が忙しそうに動いている。そんな中、二人の医師がルーチェたちの存在に気付いて視線を向けた。

一人は女性の医師だった。ウェーブがかった髪の先はピンクに染められており、小柄で、可愛らしい顔立ちをしている。
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