Dr.luce
「三人とも、患者さんが来るから処置の準備を始めるよ!」

「はい!!」

三人は返事をし、クラルと共に患者の受け入れ準備に当たった。



数分後、救急車が病院に到着し、救急隊がストレッチャーを押しながら救急科に入って来る。一花、そしてクラルと共にストレッチャーに駆け寄ったルーチェだったが、その患者の状態に思わず足を止めてしまった。

他の科では、それは見ることのない光景だった。ストレッチャーに乗せられた患者の意識は朦朧としており、患部からは大量の出血、そして骨が折れているのか足が通常ではあり得ない方向に曲がってしまっている。

(これが、救急医療の現場……)

病気の手術を病室のベッドの上で待っている外科や、火傷の患者の対応以外は比較的落ち着いている皮膚科などとは違う。判断一つ間違えれば患者の命の灯火が消える。そんな緊迫した状況が当たり前なのが、ここ救急科なのである。

「大丈夫ですか!?」

「病院に着きましたよ!!」
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