モテナイ女の最高の出合い〜夢じゃないヨね、恋はBIGプリン〜
どうしよう…逃げ出したい気分なんだけど…
直々に呼び出されたなんて、きっとあのときのことだよね、謝れば許してくれるかなぁ……イヤ、最悪クビかも。
私は副社長の性格とか全然分からない、だって本社へ会議のため出席しても滅多に会えない雲の上の人。
そんな人に直接呼び出されたなんて、これからどうしよう…
あ〜誰か助けてよ〜…
副社長を待たせる分けにはいかない、最上階へ行くエレベーターに乗り込み、ドアが開けば見たこと無い絨毯が続いている。
汗と溜息と、心臓が壊れそう…
もう前を見るとことも出来ず下をむいて、はぁ~~はぁ~~と息が漏れる。
誰かが言ってたような言葉は…なんだっけ??
そんなくだらないことを考え…
『町田さん、副社長がお待ちですよ』
言葉にならない声が出る、っえ、?貴方、いつからそこに??っえ、誰、誰、誰、この人もかなりのイケメン、長身、元モデルかぁ〜ってくらい。
やっぱり東京は顔も身長も違いすぎる、って、私はいつの時代の人間だよ!!!
『ご案内しますよ』となんて冷静。
覚悟なんて出来て無いけど仕方無い。付いていく。
ヒールを履いている訳ではない、いつもの安いスニーカーのはずなのに、床がグラグラ揺れる。
この方副社長の第一秘書の大和純一さんと言うらしい。
焦げ茶色のドアに、金色のプレートに副社長室と書いてある。
大和さんが軽くノックをし、中から声がする。金色のドアノブをすっとを押す。
もう絶対絶命!!副社長を見る余裕なんて無い。
私はもう思いっきり頭を下げ
(すいませんでしたー、)そのあとは支離滅裂、何とか声を出し必死に小さくなる。
静かな部屋には私の叫び声…無反応…もう泣きそう…クビ…なのか…
次第にクスクスとの声から笑い声が段々大きくなっていく。
っな、っえ、っえ……
『頭を上げて下さい、町田さん』
かすかに優しい大和さんの声。
ビクビクしながら、ゆっくりと頭をあげる。
なんか副社長の笑い声につられて笑いそうなんですけど、こんな時に。
顔が引きつりそうにながらも笑い声が出そうになった途端。
副社長の目がすっと細くなり、私をジット見つめてくる。
背中にツーと流れる汗、ゴクリとなる喉…
「町田 凛」低い声が私の耳にすっと入ってくる。
「町田 凛、本日付けで副社長第二秘書を命ずる」
私は何を言われているのか、わけが分からず体はカチンと固まったまま。
「聞こえなかったか、私の秘書なれと言ったのだ」
秘書!!秘書って秘書だよね。そんな経験ありませんから!無理、無理、無理ーーーー。
大学って誰でも入れる普通の所で、確か?秘書検定?なんて持ってません。
誰かと間違って居ませんかーー。
でも大和さんの説明するところ、副社長は間違いでもなければ、本気だった。
私が…秘書ーーーー!
絶対騙されている、絶対!
世の中そんなこと有り得ない!