極上パイロットは偽り妻への恋情を隠さない

六章 蜜愛に溺れる夜

心地好い温もりの中、夢から覚める感覚で目を開ける。
寝ぼけ眼のぼやけた視界の中に、微笑む樹くんがいた。


「おはよう、芽衣」


壁にかかっている時計は、六時を差している。今日の彼はスタンバイ、私は遅番だから、起床時間にはまだ早い。


「おはよう。もう起きてたの？」

「うん、目が覚めたから。ずっと芽衣の寝顔を見てた」

「やだ……。寝顔を見られてるって、なんだか恥ずかしいんだけど……」

「なんで？　子どもの頃はよく一緒に昼寝しただろ？　でもまあ、ただの幼なじみだったあのときと違って、今の芽衣の寝顔は愛おしく感じるんだけどな」

「ッ……」


樹くんの言葉に、気だるかった体と頭が一気に覚醒する。
直後、チュッと頬にくちづけられ、そのまま唇にもキスが贈られた。


ドキドキして照れる私に、彼は「照れてる芽衣も可愛い」なんて言ってクスクスと笑った。