初夜で妻に「君を愛することはない」と言った私は、どうやら妻のことをめちゃくちゃ愛していたらしい



(ミッチー……)


 子供っぽいからその愛称はやめろと何度も言われて、二人きりの時だけ呼んでいたその愛称。

 もう口にすることがないその呼び名に、わたくしはポロポロと涙を零します。
 わたくしは、彼のことを一番理解しているつもりで、できていなかったのです。

 これからわたくしは、彼への贖罪のため、頑張らなくては。

 だけど今日だけは、わたくしは主役の花嫁です。少しくらいのワガママは許されるはず。
 わたくしはそれを言い訳に、自分を甘やかして、明日の朝目が腫れてしまうであろうことも気にせず、わんわん夜通し泣き明かしたのでした。

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