忘却の天使は溺愛に囚われて


「すみません……! やっぱり迷惑ですよね。今日からはホテルに泊まるので安心してくださ……」

「迷惑なわけないだろ。予定ばっかでお前との時間が全然ないのが不服なだけだ」

 なっ……なんてかわいいの⁉︎
 これはつまり、拗ねているってことだよね?
 ギャップのある姿に、思わず胸がキュンとする。

「冬休みが終わるギリギリまで帰らないことにしたので、数日以降はフリーです! 私! その時は相手してくれますか?」

「……ん、じゃあ数日我慢すればお前の時間は全部俺のもんだな」

 朔夜さんが満足気に笑い、尊さのあまり胸が苦しくなる。

 これは心臓に悪い……そこまで私との時間が欲しいって、もうなんか夢みたいだ。こんなイケメンから求められる日が来るなんて。

 ホクホクした気持ちのまま準備をして、部屋を出ようとした時、朔夜さんに呼び止められる。

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