ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
この愛を一歩、一歩/その11
ケイコ
私たちは無言で抱き合っていた
たぶん、20分くらいかな…
もう、二人には余分な気遣いなんか存在していない
目の前のこと、全部、真っ向から見据えられるんだ
変な考えかも知れないけど、こういうことって、麻衣に出会っていなければ、そうはできなかったかなって…
もしかすると、アキラもそう思ってるかもしれない…
...
私は”怖い、怖くてしょうがない”とアキラに言った
半面、すべてのことをアキラと一緒にやっていけることが、嬉しくてたまらない
体が震えるほど、力が湧いてくる
だから、不安なことやつらいことが目の前に現れたら、こうやって抱き合っちゃう
お互い、ぎゅっと、強く強く…
口に出して、そして心の中でも、”怖い!怖い!どうしょう…”って
アキラも”俺も怖いよ!どうしよう…”
そう言えば、展望公園で雨宿りした時も、アキラは”怖い”って言ってくれた
それで私も、心の中の怖いという気持ちに向き合えた
いろいろ、ほんと、短い間にいろいろあって、怖いと言う気持ちを一緒に分かち合えるようになった
それは、変に飾らず、どこか気持ちのいい愛し方なんじゃなのかな
...
その夜、アキラと同じ布団の中で、週刊誌の巻末ページにあった間違いさがしを一緒にやった
「ケイコちゃん、間違い探すの早いなあ…」
アキラはそう言って、苦笑いしてた
「ねえ…、間違い探しって、正しいものと違うものを見つけることだよね?」
「そうだよ」
「でも、その正しいものが本当は正しくないものだったら?」
アキラは私が何を言いたいのか、すぐに分かったみたいだ
いや、そうじゃなくて、私が言う前に、同じことを考えていたんだと思う
...
正しいことと周知されていることが本当は、間違っていた…
こんなことは今の世の中、いっぱいあるはずだ
真実とは違うことが本当のことになってて、みんな偽りを信じ込んじゃってる
だから、過去に起こった出来事を間違い探ししたら、信じ込んでる偽りと違うことが間違いなんだ
それ、もしかしたら真実かもしれないのに…
その真実ってもんに、アキラと私は影のように付きまとわれている
それはすなわち、実際には真正面から逃げてるんだ
全部、真っ向からって気持ちなのに、そこだけどうしてもダメ…
二人はそれを自覚してる
だから苦しんでる
その苦しみが、少しずつ大きい存在になってるようだ
そんな気がする…
ケイコ
私たちは無言で抱き合っていた
たぶん、20分くらいかな…
もう、二人には余分な気遣いなんか存在していない
目の前のこと、全部、真っ向から見据えられるんだ
変な考えかも知れないけど、こういうことって、麻衣に出会っていなければ、そうはできなかったかなって…
もしかすると、アキラもそう思ってるかもしれない…
...
私は”怖い、怖くてしょうがない”とアキラに言った
半面、すべてのことをアキラと一緒にやっていけることが、嬉しくてたまらない
体が震えるほど、力が湧いてくる
だから、不安なことやつらいことが目の前に現れたら、こうやって抱き合っちゃう
お互い、ぎゅっと、強く強く…
口に出して、そして心の中でも、”怖い!怖い!どうしょう…”って
アキラも”俺も怖いよ!どうしよう…”
そう言えば、展望公園で雨宿りした時も、アキラは”怖い”って言ってくれた
それで私も、心の中の怖いという気持ちに向き合えた
いろいろ、ほんと、短い間にいろいろあって、怖いと言う気持ちを一緒に分かち合えるようになった
それは、変に飾らず、どこか気持ちのいい愛し方なんじゃなのかな
...
その夜、アキラと同じ布団の中で、週刊誌の巻末ページにあった間違いさがしを一緒にやった
「ケイコちゃん、間違い探すの早いなあ…」
アキラはそう言って、苦笑いしてた
「ねえ…、間違い探しって、正しいものと違うものを見つけることだよね?」
「そうだよ」
「でも、その正しいものが本当は正しくないものだったら?」
アキラは私が何を言いたいのか、すぐに分かったみたいだ
いや、そうじゃなくて、私が言う前に、同じことを考えていたんだと思う
...
正しいことと周知されていることが本当は、間違っていた…
こんなことは今の世の中、いっぱいあるはずだ
真実とは違うことが本当のことになってて、みんな偽りを信じ込んじゃってる
だから、過去に起こった出来事を間違い探ししたら、信じ込んでる偽りと違うことが間違いなんだ
それ、もしかしたら真実かもしれないのに…
その真実ってもんに、アキラと私は影のように付きまとわれている
それはすなわち、実際には真正面から逃げてるんだ
全部、真っ向からって気持ちなのに、そこだけどうしてもダメ…
二人はそれを自覚してる
だから苦しんでる
その苦しみが、少しずつ大きい存在になってるようだ
そんな気がする…