ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
接近/その2
追川
つまり、相和会はそう遠くない時期での剣崎体制の承認を、現時点で広域組織に迫った訳だ
それに付随して、その剣崎体制の方針転換も合わせて、突き付けたと…
「それが仰天ものだったってことさ…」
...
Gからは、いつも歯切れの良い”回答”が返ってくるのだが、この時は今一つ軽快さに欠けた”解説”にとどまっていた
「イメージとしては、従来のやくざ組織とは別物になるから、これを事前に黙認してくれってな…」
俺はそれを広域側が認めた場合、メリットはあるのかを尋ねた
「わからん。端的に考えりゃ、競争相手が退場と見込めるから、関東、関西とも、喜ばしいことだと思うが、そうあっさり解釈できるものかどうか…」
では、相和会としてのメリットはどこにあるのか
Gはこれも苦虫を噛むような表情で話した
「完全に推測になる。旧来の極道世界のポジションから外れても、奴らには商売が成立する道筋は描かれてるってことじゃないのか。なら、面倒な利害関係がなくなれば、それに越したことはない」
要はやくざ世界からの脱却を見据えているのか
剣崎の奴は…
...
「相和会は何年後かははっきりしないが、樹立する剣崎体制の容認を核として、今回の合意に臨んだのは明らかだ。奴らからの要求は、然るべき体制での”不都合”の除去。この一点に絞られていたように思う。まあ、あくまで抽象的、包括的に条件を呑ませることのアプローチだったとな」
俺も、今ひとつわかりかねる
所詮、極道もん同士の通常見られる交渉フレームを外れてるし
「まさにこのアプローチには関東と関西も、さぞ戸惑ったことだろうよ」
Gはため息を伴った、やや投げやり気味な口調だった
「枝葉の詳細諸々は、わかりかねるのか?」
俺はズバリ聞いた
「ああ、わからんね。我々が従来から持つセオリーを無視してるんだ。わかるもんか」
セオリー無視…
相馬豹一と一緒ってことか…
奴が死んでも、対峙する長年の宿敵は、”それ”から解放されてないままだというのか?
追川
つまり、相和会はそう遠くない時期での剣崎体制の承認を、現時点で広域組織に迫った訳だ
それに付随して、その剣崎体制の方針転換も合わせて、突き付けたと…
「それが仰天ものだったってことさ…」
...
Gからは、いつも歯切れの良い”回答”が返ってくるのだが、この時は今一つ軽快さに欠けた”解説”にとどまっていた
「イメージとしては、従来のやくざ組織とは別物になるから、これを事前に黙認してくれってな…」
俺はそれを広域側が認めた場合、メリットはあるのかを尋ねた
「わからん。端的に考えりゃ、競争相手が退場と見込めるから、関東、関西とも、喜ばしいことだと思うが、そうあっさり解釈できるものかどうか…」
では、相和会としてのメリットはどこにあるのか
Gはこれも苦虫を噛むような表情で話した
「完全に推測になる。旧来の極道世界のポジションから外れても、奴らには商売が成立する道筋は描かれてるってことじゃないのか。なら、面倒な利害関係がなくなれば、それに越したことはない」
要はやくざ世界からの脱却を見据えているのか
剣崎の奴は…
...
「相和会は何年後かははっきりしないが、樹立する剣崎体制の容認を核として、今回の合意に臨んだのは明らかだ。奴らからの要求は、然るべき体制での”不都合”の除去。この一点に絞られていたように思う。まあ、あくまで抽象的、包括的に条件を呑ませることのアプローチだったとな」
俺も、今ひとつわかりかねる
所詮、極道もん同士の通常見られる交渉フレームを外れてるし
「まさにこのアプローチには関東と関西も、さぞ戸惑ったことだろうよ」
Gはため息を伴った、やや投げやり気味な口調だった
「枝葉の詳細諸々は、わかりかねるのか?」
俺はズバリ聞いた
「ああ、わからんね。我々が従来から持つセオリーを無視してるんだ。わかるもんか」
セオリー無視…
相馬豹一と一緒ってことか…
奴が死んでも、対峙する長年の宿敵は、”それ”から解放されてないままだというのか?