ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
ざわめき/その9
砂垣



結局、何度も何度も命乞いして、何とか指一本で勘弁してもらったってことなんだが…

最後は故相馬会長の弟分、明石田さんの意が働いたらしい

いくらなんでも、相馬会長の実子が連れてた友人だった人間だし、そこまでだとね

いわば温情判決の一声によって、救われたってところなんだろう

その報が現場に届いた際、麻衣と倉橋さんはアツシさんをぶっ殺すと聞かなかったらしく、周りが止めるに往生したというしな

なんて恐ろしい輩なんだ、あいつら

あの二人がもうすぐ夫婦になるかと思うと、ゾッとするぜ


...



とにかくだ…

その場の経緯を聞いて、身の毛がよだったよ

あの狂気の麻衣と婚約した撲殺男は、指5本分の長さを計って、腕の肘あたりに線引いてチェーンソーの切っ先当てたってんだから…

それを麻衣は平気な顔で見物してたってことさ

アイツは本物の気狂いだよ

異常者だって!


...



「…、あとは書いてる通りだよ。もうあんたとは会えない。俺は殺されたくないしな。その紙はすぐ焼いてくれな。了解してくれるか?」

俺は無言で頷くしかなかった…

「それじゃあ、アツシさん、お大事に。全快を願ってますよ…」

こう言って、俺は急いでココを出たさ

そして車を吹っ飛ばし、ルーカスに戻った

まずは新設のサウナに入って、体をリフレッシュしよう

あんな不気味な病院の残り香なんか、さっさと体の奥から消しちまわねえと…






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