ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
ざわめき/その10
砂垣



サウナの中で、俺は頭を整理した

ひとつひとつ…

まず、今回アツシがマトにされた理由は、麻衣との約束反故と組織の内部事情を口外したこと、その両方だった

前者はアツシ個人、後者は相和会の人間として、処罰の対象になったと…

具体的には、元カノと復縁を計ったことと、俺にこれまでリークしてくれた暴露ネタ一式だ

つまり、公私双方の”罪状”には、俺がもろ絡んでいる

俺は、アツシと彼女とのヨリを戻す行為に共謀したことになり、相和会に都合の悪いネタを横流しさせた

つまり、相和会から怒りを買い、狙われる立場になったって訳だ

これは間違いないところだよ


...



だが、西城アツシは、俺との接触は認めたが、彼女とのことでは俺のかかわりは否定してくれたらしい

組織の情報漏えいに関しても、俺にはしゃべらなかったと通していたというし…

要は俺とは個人的な付き合いで、今回の件の当事者ではないという主張だ

正直、それだけでもホッとしたよ

とりあえず、アツシさんには感謝しなきゃな

無論、相和会、それに麻衣はそんな供述を信じやしないだろう

で、執拗に俺のことを疑って、訊問してきたらしいや

今でも俺に関しては、そんなことねーだろうがってね

当のアツシ自身、そう感じてるとのことだ

そりゃ、そうだ…

自分で言うのもなんだが、バックは星流会だし、見え見えだわ


...



今日、真樹子を使ってオレをここへ導いたのだって、明らかに麻衣の意図が込められているよ

言わば警告だ…

ここまで奴らに睨まれたからには、相当ヤバい立場という自覚はあるさ

ふん、さっき真樹子が言ってた通りってこった

そこでどうするかだが…

まずは、病室で耳打ちされたあの言葉…

”その紙に書いてある女に会ってきてくれ…”





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