ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
ざわめき/その11
砂垣



その女とは、新宿のクラブJのホステス、エリカ…

アツシによると、その女に相和会の内部情報を漏らしたようだ

しかも、俺に教えた内容以上のことを話したらしい

その女には明後日、店で会うことなっていたので、代わりで俺に行ってほしいと…

で、聞いた話は絶対口外しないように、クギを刺しておいてくれってことだ

あいつ、”余分な口”をきいた相手として、俺同様、彼女の名も奴らには吐かなかったって言ってたよ

西城アツシは、ああ見えてもえらいよな、そういうところ…


...



どうやら、アツシはそのエリカって女にお熱を上げていたようだ

帰り際には、その女からねだられてたという、赤い高級マニュキアを受け取ってさ

会ったら約束のプレゼントだからって、渡してほしいと頼まれた

アツシとしては、彼女が相和会から狙われることを恐れているんだろう

とにかく店に行って、エリカとかって女には会って来るとしよう

明後日の昼には、大場とも落ち合って、星流会からの伝達事項が伝わることになってる

一応、アツシが制裁を受けた件は伏せといて、星流会の直近の状況を確認するんだ

もう俺は、星流会の利害関係とは連動してるし、いろいろと見極めた上で判断しないとな…


...



それと…

実はアツシの耳打ちでもう一つ、重要なメッセージを授かった

「俺はもう動けないから、この前取り交わした例の目的は、君に託すよ。その紙の最後に記した名前はよく覚えといてくれ…」

これは先日、俺と約した麻衣を潰すという意志には、今も変更がないということだろう

そしてその名前の主が、麻衣を追い詰める材料になり得ると…

俺はそう解釈したよ

で、その名前なんだが、”横田競子”と記されていた…





< 193 / 224 >

この作品をシェア

pagetop