ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
ざわめき/その12
ケイコ
今日、アキラはバンドの顔見せで伊豆へ出かけた
一泊して、明日の夜戻る予定だ
秋晴れの日曜日、朝早く私はお見送りをしてね…
がんばれ!アキラ
...
そして私は今日バイトがないので、午前中から部屋を出て、まず、滝が丘高校で陸上部の仲間だった桑原里美子と会った
展望公園のベンチに座って、とにかくいろいろ積もる話をしたよ
私が通信制で高校卒業資格を取得しようとしてることは知ってて、えらく励まされた
「これ、部のみんなから…。おけい、受け取って」
リミから手渡されたのは、ブルーのスポーツタオルだった
「部のみんなからの寄せ書きが入ってるわ」
「リミ…、ありがとう。嬉しいよ。みんなにもよろしく言っといてね」
「うん…。それね、一応、志田先生にも声かけたんだけどさ…。やっぱり退学処分の直後ってことで、今は周りの先生とかPTAの目があるらしくて…。おけいには申し訳ないと伝えてくれって言われたわ」
私は警察から戻って、学校が無性に恋しくなってさ
停学中に思わず校門の前まで行って、校舎のみんなが私に気づいて騒ぎになった時、先生から言われたことを思いだした
「あの時、私に帰るようにと言った志田先生、とても辛そうな顔してくれてたんだよね。私、学校の中に入れないことが耐えられないほど悲しくて、泣きながら走り去ったんだけど、先生には感謝してる。リミ、私からはそう伝えてくれる?」
リミは細い目をさらに細くさせて、ニコニコしながらうなずいてた
...
リミと別れた後、マックで昼食を済ませてから、通信制高校に赴いて、いろいろ説明を聞いてきた
家を出てることは告げなかったが、私の事情は学校側と教育委員会から伝わっていてね
まあ、今度私の誕生日に家へ戻れるから、その時、お母さんとはよく話すつもりだ
何かとしんどいが、やるっきゃない!
...
午後2時半、今度はルーカスというゲームセンターで、多美と落ち合うことになってる
私が店内に入ってあたりを見回していると、「おけいー!」と、
後ろからすぐに多美とわかる例のハスキーで元気な声が届いたよ
私たちはゲーム台を挟んで座り、ミーティングにかかった
「おけい、改めて、この前の取りまとめにはお礼言うよ。ホントにありがとう。おかげで私の永遠の恋人はさ、元の輝きに戻ったよ(ニコニコ顔)」
「ハハハ…、こっちも必死だったさ。何て言ったって、多美の永遠の恋人だもんな。南玉連合は…。で、どう?ああいういきさつだから、私も情勢だけは把握しとかないとさあ…。やっぱ、責任とかもあるしね」
「うん、中はビシッとまとまったよ。馬美も復帰してきたし。”外”との連携も、まあ、いい方向には進んでる。その辺は、祥子が精力的に動いてくれててさ。…要は敵の動きだよ。かなりえげつなくきてるんだ。予想はしてたけどね」
そうか…、排赤勢力はハデにけしかけているとは聞いてたけど
「…先週も、走りの1年がさ、ズベ数人に路上でボコられたんだよ。連中の一人が朝霧商業のモンだってわかったんで、静美と克子が昨日乗り込んでって…。まあ、ひと悶着さ。今んとこは小競り合いで収まってるけど、何かのきっかけで、いつ火を噴いても不思議じゃないってとこだろうね。私もさ、かなり緊迫してる感じがするんだ」
うーん、どうしても荒れそうだな…
気が付くと、私も多美もため息をついて腕組みをしていたよ
紅子さん、都県境は再びざわめいてきました…
ケイコ
今日、アキラはバンドの顔見せで伊豆へ出かけた
一泊して、明日の夜戻る予定だ
秋晴れの日曜日、朝早く私はお見送りをしてね…
がんばれ!アキラ
...
そして私は今日バイトがないので、午前中から部屋を出て、まず、滝が丘高校で陸上部の仲間だった桑原里美子と会った
展望公園のベンチに座って、とにかくいろいろ積もる話をしたよ
私が通信制で高校卒業資格を取得しようとしてることは知ってて、えらく励まされた
「これ、部のみんなから…。おけい、受け取って」
リミから手渡されたのは、ブルーのスポーツタオルだった
「部のみんなからの寄せ書きが入ってるわ」
「リミ…、ありがとう。嬉しいよ。みんなにもよろしく言っといてね」
「うん…。それね、一応、志田先生にも声かけたんだけどさ…。やっぱり退学処分の直後ってことで、今は周りの先生とかPTAの目があるらしくて…。おけいには申し訳ないと伝えてくれって言われたわ」
私は警察から戻って、学校が無性に恋しくなってさ
停学中に思わず校門の前まで行って、校舎のみんなが私に気づいて騒ぎになった時、先生から言われたことを思いだした
「あの時、私に帰るようにと言った志田先生、とても辛そうな顔してくれてたんだよね。私、学校の中に入れないことが耐えられないほど悲しくて、泣きながら走り去ったんだけど、先生には感謝してる。リミ、私からはそう伝えてくれる?」
リミは細い目をさらに細くさせて、ニコニコしながらうなずいてた
...
リミと別れた後、マックで昼食を済ませてから、通信制高校に赴いて、いろいろ説明を聞いてきた
家を出てることは告げなかったが、私の事情は学校側と教育委員会から伝わっていてね
まあ、今度私の誕生日に家へ戻れるから、その時、お母さんとはよく話すつもりだ
何かとしんどいが、やるっきゃない!
...
午後2時半、今度はルーカスというゲームセンターで、多美と落ち合うことになってる
私が店内に入ってあたりを見回していると、「おけいー!」と、
後ろからすぐに多美とわかる例のハスキーで元気な声が届いたよ
私たちはゲーム台を挟んで座り、ミーティングにかかった
「おけい、改めて、この前の取りまとめにはお礼言うよ。ホントにありがとう。おかげで私の永遠の恋人はさ、元の輝きに戻ったよ(ニコニコ顔)」
「ハハハ…、こっちも必死だったさ。何て言ったって、多美の永遠の恋人だもんな。南玉連合は…。で、どう?ああいういきさつだから、私も情勢だけは把握しとかないとさあ…。やっぱ、責任とかもあるしね」
「うん、中はビシッとまとまったよ。馬美も復帰してきたし。”外”との連携も、まあ、いい方向には進んでる。その辺は、祥子が精力的に動いてくれててさ。…要は敵の動きだよ。かなりえげつなくきてるんだ。予想はしてたけどね」
そうか…、排赤勢力はハデにけしかけているとは聞いてたけど
「…先週も、走りの1年がさ、ズベ数人に路上でボコられたんだよ。連中の一人が朝霧商業のモンだってわかったんで、静美と克子が昨日乗り込んでって…。まあ、ひと悶着さ。今んとこは小競り合いで収まってるけど、何かのきっかけで、いつ火を噴いても不思議じゃないってとこだろうね。私もさ、かなり緊迫してる感じがするんだ」
うーん、どうしても荒れそうだな…
気が付くと、私も多美もため息をついて腕組みをしていたよ
紅子さん、都県境は再びざわめいてきました…