ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
ざわめき/その13
砂垣



今日の大場との打合せ場所には、仲通りのファミレスを選んだ

「砂さん、なんか場違いじゃねえか…?。昼時だし、騒がしくて気が散るしよ」

「まあ、タマにはこういうところもいいさ。健全にランチと行こうや」

大場は渋い顔をして、メニューを覗いてるよ(苦笑)

ふん、ここを選んだのには理由があるんだ


...



いま囲い入れてるズベどもの情報じゃ、元南玉連合トップの一人、横田競子がここでウェイトレスをやってるって言うじゃんか

あの子とは去年、彼女が入院中に会っている

日本を離れる直前の紅丸のヤツが、麻衣らによって南玉連合から執行部追い落としを謀ったクーデターにでしゃばって、奇策を講じてきやがった…

そんで、横田が俺の謝罪する相手になったって訳だ

そのおかげで俺は大恥をかいて、再び墨東を去るしかなかったよ

女どもの手で、再びパージされたって訳だ

麻衣も憎いが、紅丸には最後の最後まで苦汁を呑まされっぱなしだったわ

フン…‼

今、思いだしても胸糞悪いわ!


...



でだ…、あの節、俺に詫びを入れさせたヒロインの競子ちゃんが、ここんとこ来て、またまたクローズアップってことでね

指をちょん切られたアツシの”あの紙”に、彼女の名が記されていたんだ!

ここはまず、一目、最新の彼女を見ておこうとなった

なにしろ、あの間、多くのことが起こったからな…

まあ、あの子の”今現在”は取り急ぎ、大体のところを把握した

なんでも、麻衣とは完全に断絶したという

夏にはかなり揉めて、お互い南玉おっぽり出て、グチャグチャだったらしいや

そして、驚いたことに、横田もサツにしょっ引かれたってんだ

たぶん、”そこ”がカギだろう

横田に探りを入れれば、麻衣を追い込めるような、何かネタが掴めるかもしれない

今日は、もし会えたら挨拶だけしとくつもりだ


...



大場とは日替わりランチを共にし、朝方の金城さんとの打合せ内容を聞いていた

「…それがさ、参ったよ。初っ端に”例の男”と面通しされた」

「えっ?じゃあ、お前会ったのか、”例のそいつ”と…」

「ああ、聞いていた以上にスゲーわ、そいつ。身長は180をゆうに超えてる。ウェイトはまあ、100キロ超ってとこだろう。そんで、眼なんかヤバいわ。イッちゃってるよ」

「そうか…。じゃあ、こっちも”兵器”として使わない訳にはいかないってこったな?」

「そうさ。金城さんは、高い金で”お取り寄せ”したんだから、フルに活用しろとさ。そうあんたには、伝えておくようにって言われたわ」


...



通称、”バグジー”

少刑帰りの凶暴極まりないケンカ屋ってことだった

今回、ガキの勢力制圧に際し、星流会が我々の戦力として送り込んでくると聞いてたからな

となると…

星流会は都県境のガキを、本腰入れて奪うつもりってことだ

それは、相和会を挑発することに等しい

さらにだ、相和会では武闘派の顔と言っていい、あの撲殺男の嫁になる本郷麻衣を、その闘争のフィールドへ呼び込むことにつながるよ

ふう…、そうとなれば、どう動きゃいいんだろうか…







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